「10年働いても年収が思ったほど上がらない」――SIerで働くエンジニアから、よく聞く悩みです。筆者(SIerでエンジニア10年、PL3年目)も、昇給のペースについては正直もどかしさを感じています。
この記事では、エンジニアが年収を上げるための方法を「社内」「社外」「スキル」の3つに分けて整理します。
結論:年収は「どの工程を担当するか」と「どこで働くか」で大きく変わる
エンジニアの年収を決める要素は、大きく分けて2つです。
- 担当工程:実装より設計、設計より上流・マネジメントの方が単価は高くなりやすい
- 働く場所:同じスキルでも、会社(商流・業界・規模)や働き方(正社員・フリーランス)で年収は変わる
実際、厚生労働省の賃金構造基本統計調査をもとにした分析では、2024年の平均賃金(時給換算)は「システムコンサルタント・設計者」が約3,659円、「ソフトウェア作成者」が約2,898円と、上流寄りの職種の方が高い結果になっています。
方法1:社内で上げる
- 上流工程・PL/PMを担当する:役割が上がると、手当や等級が上がる会社が多い
- 評価基準を把握する:自社の等級制度で「何ができれば上がるのか」を上司に確認する
- 資格手当を狙う:高度情報処理試験などに資格手当や一時金を出す会社もある(PMPとPM試験の比較)
社内で上げる方法はリスクが低い反面、会社の給与テーブルの上限を超えることは難しいのが弱点です。
方法2:社外に出て上げる
| 選択肢 | 年収が上がりやすい理由 | 注意点 |
|---|---|---|
| 転職(元請け・大手SIer) | 商流が上がるほど利益率が高く、給与に反映されやすい | 求められる調整力・上流経験が高い |
| 転職(Web系・事業会社) | 利益率の高い自社サービス企業は給与水準が高いことがある | 技術のキャッチアップが必要 |
| 転職(ITコンサル) | 上流・調整経験が高く評価される | 業務負荷が大きいことも多い |
| フリーランス | 中間マージンが減り、単価がそのまま収入に近づく | 案件が途切れるリスク、社会保険・税金は自己負担 |
| 副業 | 本業を続けながら収入の柱を増やせる | 就業規則と時間の確保が必要 |
「今の会社の給与テーブルでは上限が見えている」と感じるなら、社外の選択肢を調べてみる価値はあります。転職するかどうかは別として、自分の経験が外でいくらで評価されるかを知るだけでも、社内交渉の材料になります。
方法3:市場価値の高いスキルを身につける
- クラウド(AWS・Azure・Google Cloud):オンプレ中心のSIerでは経験者が少なく、差がつきやすい
- 生成AIの業務活用:開発効率化やAI導入支援の経験は、今後さらに求められる
- プロジェクトマネジメント:どの会社でも不足しがち。PL経験はここにつながる
- 業務知識:金融・製造・公共など、特定業界に詳しいエンジニアは替えがききにくい
SIerのPLがまずやるべきこと
筆者自身の立場から考えると、SIerのPLが年収を上げる近道は「PL経験を、社外に通じる言葉で説明できるようにする」ことだと思います。
- 担当した案件の規模(人数・期間・予算感)
- 自分が調整した相手と、その結果
- トラブルをどう防いだか・どう収めたか
これを職務経歴書の形で書き出しておくと、社内評価の面談でも、転職・副業・フリーランスでも、そのまま使えます。
まとめ
- 年収は「担当工程」と「働く場所」で大きく変わる
- 社内で上げる方法は低リスクだが、給与テーブルの上限がある
- 社外の選択肢を知ることで、社内交渉の材料にもなる
- PL経験を社外に通じる言葉で説明できるようにしておく
参考:「賃金センサス」における過去10年間の賃金動向(Software Plaza) / 厚生労働省 令和7年賃金構造基本統計調査
執筆:平凡PL(SIer勤務・エンジニア歴10年/PL歴3年)